プラム・クリークの土手で

プラム・クリークの土手で
On the Banks of Plum Creek
著者:ローラ・インガルス・ワイルダー
画家:ガース・ウィリアムズ
訳者:恩地三保子
発行:2002/11(刊行:1937)
福音館文庫

大草原の小さな家〈インガルス一家の物語〉のシリーズの3作目。

あとがき 「インガルス一家の物語」について より

この物語は、いまから100年以上まえ、北アメリカがまだ開けていなかったころ、大森林や大草原でのきびしい開拓生活のなかで成長していった、ひとりの少女ローラと、その家族の物語です。
大吹雪、イナゴの大群、日照り、熱病などの、思わぬ自然の脅威にいつもおびやかされながら、とうさんとかあさんとローラたち一家は、大自然のまっただなかで、助け合い、自分たちの手で、丸太を組みあげ家を建て、パンやバターやチーズをつくり、生活のどんなことでもひとつひとつ自分たちの手でつくり、家庭を、生活を築きあげていきます。人間の生活のこんな基本的なことが、深い喜びとなって、いきいきと、この物語から伝わってきます。それは、この作者、ローラ・インガルス・ワイルダーが、1870年代から1880年代に、実際に、生きる喜びにみちあふれた少女時代を送り、その経験を、そっくりそのまま、私たちの目の前に再現してみせてくれるからなのでしょう。
作者は、自分が5歳のときから、あちこちに移り住み旅の多かった少女時代を経て、アルマンゾ・ワイルダーと出会い結婚をして、娘が生まれ、インガルス家から離れ、新しい家庭をつくっていくまでのことを、9冊の本にして物語っています。この9冊をならべると、ひとりの女性の生涯と一家の一代記を描いた、大河歴史物語といえるでしょう。
1冊1冊にもりこまれた物語のおもしろさはもちろんのこと、何冊か通して読んだときに、年月を経て成長し、変化していくものの重みを、ずしりと深く感じずにはいられません。この物語が、1932年に1冊目が出版されてから現在まで、アメリカの子どもたちのベストセラーとして、代々、読みつがれてきたことも、こんなところに秘密があるのかもしれません。(P407~408)

 

開拓者というか、農家というか、挑戦者というか、インガルス一家の物語は、今の時代を生きる我々にも、時代を超えていろいろなことを教えてくれる。借金して設備投資して自ら切り開いて耕して実った畑が大豊作に湧き大金が入る収穫の寸前、イナゴが大発生し畑は全滅・・・途方に暮れるよ・・・。借金は返せない、一家の生活はどうする、冬をどう越す・・・。読み手が家族を背負う責任ある立場の者ならば、なおのこと他人事でなくずっしりとしたものを感じる筈だ・・・重い、重すぎる。でもしかしインガルス一家は負けない。父も母も子供達も犬も馬も牛も負けない。すげ~。フロンティアスピリット。半端じゃないな。勇気をもらいました。そもそも生きていくことは大変なことなんだよね。生きていることに感謝しないといけない。もっと毎日をしっかりと生きていきたいです、インガルス一家のように。

(2017年の51冊目)

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