マンション管理実践マニュアル

マンション管理実践マニュアル

著者:中島猷一
発行:2005/04
PHP研究所

図書館蔵書の放出本(リサイクル本)で、ちょうどマンションの管理について興味がありましたので、ありがたく手にしました。発行は13年前と、細かい部分では法改正等で変わっている部分もあるとは思われますが、興味深く読ませていただきました。

 

読んでいて特に気になった部分。

積立金の20%前後を10年目の大規模修繕工事に使い、あとの80%は将来のために残しておくのが上手なマンション運営である。(P42)

(前略)不思議なことがある。マンションの築年数が10年経ったら「大規模修繕工事」をすると決めていることだ。日本の法律に、マンションの築年数が10年経ったら「大規模修繕工事」をやりなさいとはどこにも書かれていない。(中略)積立金を使ってしまうと、明日からのマンション運営は真っ暗だ。それよりはマンションの建替えに向かって積立金を残したほうが、マンションの将来にとっていいはずである。(P48~49)

エレベーター点検 - 毎月行う必要は本当にあるのか(中略)2か月に1回とか3か月に1回にしてくださいと、マンション住人がはっきり言うことが大切だ。脅かしに負けないマンション住人になってほしい。(中略)浮いた(中略)万円は積立金に回すことができる。(P52~54)

よい管理会社になる三つのポイント(中略)マンションの積立金が多くなることを一番に指導する管理会社になってほしい。第二に個人負担のないマンションの建替えを教えていただきたい。第三に、マンション住人がこのマンションに住んで、生活して本当によかったと思ってもらえる管理をお願いしたい。(P64~67)

〔提言〕資産価値が下がらないマンション(P98)
 ●管理・運営について
  ・役員がマンション管理に真剣に取り組んでいる
  ・積立金が将来にわたり保障されている。
  ・信頼できる管理会社がサポートしている。
 ●建築基準について
  ・床の厚さが30センチ以上ある
  ・ストレッチャーが余裕をもって入るエレベーターを備えている
  ・廊下は2台の車椅子が余裕をもってすれ違うことができる
  ・将来的にメンテナンスができるつくりになっている
  ・共用スペースが完全にバリアフリーになっている
 ●周辺の環境について
  ・駅・病院・学校(義務教育)が近い
  ・周辺のセキュリティ(防犯)がしっかりしている
  ・緑がある

少子化問題を解決する方法 - 私の提案(P102)
 提言11 子供を3人生んだ家族は無税にしよう
 提言12 子供を4人生んだ家族は消費税も免除しよう
 提言13 子供を5人生んだ家族には人も羨む住居を与えよう!

 

本が発行された2005年当時より13年が経過し、改善した部分もあるし悪化した部分もある。世の中の価値観も変わります。マンション(海外ではアパートという)は、都市の人口密度を保つ有益な居住形態だと思いますが、空室が増えれば巨大な不良資産となります。マンションと少子化というのは一見繋がりませんが、実は密接に繋がっています。というより、少子化はすべての問題に繋がっていますので、正しい少子化対策に国の手厚いサポートが早急に必要な段階に来ていると思います。

(2018年の3冊目)

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