山怪 山人が語る不思議な話
著者:田中康弘 発行:2015/6 山と渓谷社
散歩の達人 NO.271 平成30年10月号で山怪・田中康弘氏を知りました。
検索してみるとやはり 山怪 のタイトルで本が出ている。
いつもの本屋さんに注文すると店頭にあるという。
取り置きをお願いしてその日の夜に入手しました。
散歩の達人では身近な山の高尾山の 山怪 について少し書かれていて、高尾山といえば古くは修行の山でもあり、近くには古戦場や八王子城址もあり、いろいろな伝承が残っていますよね。
山こそ日本というほど日本は山国ですが、山には平地が失くしてしまったものがあります。東京の西の奥多摩辺りでも、人里離れた山中に入れば、日中は生命溢れる美しい彩の楽しい世界ですが、夜ともなれば漆黒の闇の世界が広がっています。
僕も仕事で集落から少し入った山に入ることもありますが、山に対して懐かしさや美しさを想う反面(スズメバチやマムシは怖かったけど)、夕闇が迫れば人の支配が及ばないし及ばせてはいけないような領域であるとも感じていました。山に対しての畏れといっていいのかも知れません。
以前読んだ オオカミの護符 のときもそう感じましたが、
うまく言えないけど、山は命が 生まれ 死ぬ ところかなとも思いました。
街中は光が溢れて闇がなくなりましたが、山には今も闇の 山怪 が存在しています。
本書で 山怪 の不思議な話を聞くのも、秋の夜長にはいいんじゃないでしょうか。
お勧めの一冊です。是非。
(2018年の42冊目)