破れたアメリカの「核の傘」
日米安保はどうなる
著者:日高義樹
発行:2022/7
かや書房
YOSHIKI といえば、
X-JAPAN じゃなくて、
HIDAKA でしょ!
なうぁ~
日高氏の本を手にすると、『日高義樹のワシントン・リポート(テレビ東京:1995~2011~2012(続編))』のテーマ曲が脳裏に響いてきます。
先生の本はやはり面白い。読みやすい文章は健在で、87才とは思えない若さを本から感じますが、先生も高齢であり、後に続く国際的な日本人ジャーナリストが出て来ないのは残念です。
本を読んで気になったのは、
日本経済の影が薄くなり、円が低落を続けているのは、アメリカの「核の傘」が破れ、それに安全を依存している日本に対して世界の人々が強い懸念を抱いているからである。(P28)
世界の投資家たちが求めるこうした条件を満たすために、日本が何をおいてもやらねばならないのは、日本の優れたソフト技術を十分に利用して、最新鋭の兵器体系を開発し、配備することである。(P29)
いま日本が行わねばならないのは、敵地攻撃などという戯言に時を費やすのではなく、日本の誇る最先端のハード技術とソフトを駆使して、宇宙防衛体制をつくることである。日本はこうした衛星による軍事力の強化の技術を持っている。日本が世界に売り渡している兵器体系をつくる能力、ハードの技術は世界によく知られている。(P32)
攻撃兵器が精密度を強化して破壊能力を高めれば、核兵器の特徴である大量破壊戦略が必要でなくなってくる。日本人が「核兵器をなくそう」という祈りを続けているあいだに、宇宙で超小型の原子力エンジンを搭載した人工衛星が飛び交う時代になってしまった。(P33)
このキッシンジャーの言葉は、日本の円を安くし、世界における日本の経済的な評価を貶めているのは日本自身であることを示している。(P36)
だが現在、ウクライナが経験している苦難は、核兵器をはじめ、すべての軍事能力を放棄してしまったことが原因である。アメリカから与えられた平和憲法によって戦うことを放棄させられた日本として、見過すことのできない事態である。(P60)
戦争を食い止めるための強力な兵器をウクライナが持っていないという事実は、核兵器を持つ中国を相手に国を守る戦いをはじめたときに、日本が被る重大な損害を予想させるものである。(P62)
まず「台湾海峡の危機」だが、軍事的に正しく評価するかぎり、台湾海峡の危機は存在していない。アメリカ第七艦隊と日本の石垣島や沖縄の航空戦力が強化されたことで、むしろ台湾海峡はより安全な状況にある。(P100)
いま世界で起きている大変動は、第二次大戦後、数十年にわたって世界を動かしてきたアメリカが、これまで述べてきたように大きく分裂し、不安定になっていることが原因である。(P143)
金融引き締めに踏み切ったアメリカのドルは、日本、ドイツ、イギリスをはじ世界各国の通貨に対して急速に強くなった。(P184)
中国でこれから起きてくる、経済の破綻と政治の崩壊、そして国の分裂は、日本をはじめ周辺の国々だけでなく世界に大混乱をもたらす。(P209)
ヨーロッパの国々は、ロシアのウクライナに対する侵略に驚き、日本と同盟体制を強化する動きを強めている。だが、これは経済大国である日本に協力を求めているだけであり、アジア西太平洋の安全を守るために、日本と同盟体制を確立しようとしているわけではない。(P221)
日本では残念なことに長いあいだ、平和主義のイデオロギーに囚われたニュースエージェントや中国に買収されたエージェントが、日本の利益に反する情報ネットワークをつくって日本国内の情報を取り仕切ってきた。(P223)
なかなか鋭い意見ですね。
護憲派の人が読んだら火を噴きそうです。
いろいろ意見の相違はあると思いますが、
日本の平和を守りたい気持ちは一緒です。
人類史に置いて、武力のない時代はない。
平和を希求しながら、常に武力を備える。
生きてるだけで幸せなんでしょうね。
とにかく二度と戦争はしたくないし、
隣国に侵略もされたくはありません。
軍隊なしで平和が守れたら最高だけども、
あり得ないんだろうな、現実では・・・。