アメリカに敗れ去る中国
安倍外交の危機
著者:日高義樹
発行:2018/11
徳間書店
久しぶりに読んだ Yoshiki の本。
X-Japan じゃなくて Hudson-America の Yoshiki だよ!
失礼しました。
ハドソン研究所首席研究員(客員上級研究員)として、日米関係について多数の著書を出されていて、以前はテレビ東京系列で、日高義樹のワシントン・リポートという番組をやられていました。
日高先生が番組で英語で直接アメリカの大物と喋るときなど、なうあ~・・・、あんどあ~・・・、わっつあ~・・・なんて話し出しにファンが喜んだりね(僕ももちろん)。
日高義樹といえば、やはりアメリカ第七艦隊の旗艦ブルーリッジ とか 原子力空母を発艦する戦闘攻撃機F/A-18E/F Super Hornetなどのシーンが思い起こされます。1971年にニクソン大統領当時のエアフォースワンに乗った最初の日本人記者でもあります。
日高先生の本を読むのは、2012.2発行の『帝国の終焉「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ』以来ですか。ご無沙汰していました。
読んでみて気になったところ
- アメリカ軍は、中国が南シナ海一帯に建造した軍事基地は、戦略、戦術上、きわめて攻撃しやすい軍事目標だと考えている。(P10)
- 第二次大戦以来卓抜した海軍力を誇示してきたアメリカはいまやその力の限界に達しており、同盟諸国の協力を必要とするようになっている。(p33)
- 政府から25パーセント以上の資金援助を受けている中国の国営企業がアメリカで営業することを禁止することや、(P48)
- トランプ大統領の対中国戦略の中心の一つは、中国にこれまでのように先端技術を盗ませないことである。(P54)
- 今後、アメリカの知的財産権を侵害した中国企業は全て、アメリカの安全保障上の立場を危うくした企業と認定され、アメリカへの進出を禁止される。(P73)
- フェイスブックは中国のテレコミュニケーション企業と共同でビジネス活動を行っているが、アメリカ側の情報を中国政府に流し、安全保障上の脅威をもたらしていると懸念されている。(P76)
- 「中国からのダンピング製品に対する特別関税が完全に実行されれば、中国の借金経済は崩壊し、習近平政権は政治的影響力を一挙に失う」(P89)
- トランプ大統領の厳しい対中国政策に賛同した。アメリカ議会の与野党が珍しく一致してトランプ大統領を支持したのである。だがアメリカのマスコミはこういったことをほとんど報道していない。(P154)
- クリントンが中国に与えたのは、垂直に打ち上げた大陸間弾道ミサイルを地球を回る軌道に乗せるための制御技術だった。(P190)
- 「中国陸軍と空軍はその80パーセントが、国内の軍事的制圧に使われている。外国との戦争などできない状態である。(後略)」(P195)
- アメリカの指導者は、安倍首相が李克強と話し合うべきだったのは、自由貿易ではなく、中国の国営企業によるダンピング輸出であり、それをやめるよう要請することだったと考えている。(P233)
- アメリカの安倍首相に対する大きな不満は、いまや経済的にも軍事的にもアメリカの敵となった中国の指導者に対して、きわめて迎合的な姿勢をとったことにある。(P234)
- 自由貿易と、グローバリゼーションの基礎となるべきは民主主義である。中国は世界第二の経済大国になりながら、民主主義とはほど遠い、共産党一党が支配する専制主義体制をとり続けている。その事実から目をそらして、中国と友好関係を深めるだけの外交は決して、日本のためにならない。(P238)
僕の日常とはかけ離れた壮大なお話しですが、末端の人間として、国家や巨大企業の戦いの影響を受けないわけにはいかないですよね・・・。個人にはどうにもなりませんが、多少なりとも知るべきは知りたいですね。
日高先生の新著を楽しみにしています。
なうあ~!
(2019 年の9 冊目)