人類資金Ⅵ

人類資金Ⅵ

著者:福井晴敏 発行:2014/2

講談社文庫

 

読んでいて ぐっと きてしまったのは、

恐れを知らぬ者は愚か、恐れを知ってなお奮い立てるのが本当の勇気。友にするなら、勇気あるものを選べ (P29)

間違うだけの自由を日本は最初から与えられていなかった。アジア一の先進国になったのは、欧米資本が試用した新しい支配形態のモデルケースになったため。ドルの買い貯めも、石油の中東依存も、すべて戦勝国が立てた道筋にして、(中略)欧米資本の意向だ。与えられた環境の中で発展させられたというだけで、自分ではなにも決めてはいないし、なにも手に入れていない。(P41)

戦後の〝ヤミ〟の中で培われてきた仕組み、日本を独立国家たらしめる取り決めの数々は、復興と高度成長の熱が去ったあとでは欺瞞とごまかしの堆積としか見えず、かと言ってそれを変える手立ても自由もありはしない。(P42)

奴らの奴隷を三十年も続けてきた日本には、危機に対処する国力を持つという発想すらない。(P47)

倫理も道義も麻痺させられた実験国家であるがゆえに、資本の暴走にいち早く順応した日本。(P73)

 

物語も残すところあと一巻となってしまいました。福井さんの作品は、物語のストーリー自体が面白いのはもちろんですが、背景的な描写や解説がとても長く、勉強にもなるし楽しめるんですよね。解説の長さでは大好きな大藪晴彦(代表作:汚れた英雄など)作品が思い浮かびますが、『亡国のイージス』では大藪晴彦賞も受賞されていますし。第Ⅶ巻はどうなるのかな・・・先程本屋さんに注文しました。楽しみだな。

(2018年の31冊目)

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