寺田千代乃と401人の戦士たち

64:寺田千代乃と401人の戦士たち
著者:藤本健二
発行:1984/4
サンケイ出版

〝私の履歴書〟という著名人の半生を綴る日経新聞の今月の掲載は寺田千代乃さん。

読んでみたらグイグイ引き込まれちゃって、いつの間にか『荷造りご無用~0123~アート引越センターへ~♪』なんて口ずさんでるし(笑)。

当時の僕はまだ子供でしたが、天使の容貌に魔人のような電光石火の経営力を兼ね備えた女社長の寺田千代乃さんに、衝撃を受けたことを思い出しましたよ。

元気そうでなによりです。

寺田千代乃さんの著作を検索すると、この本がヒット。既に廃版で新刊はなく、ちょっとプレミアがついて高かったけど中古本を入手、読んでみました。

読んでみて胸にぐっときたのは、

昭和四十九年、それは一貫して超高度成長を遂げてきた日本経済が、初めてマイナス成長となった動乱の年だ。ちょうどその頃から、運ぶ荷物を奪われた運輸業界は、血みどろの減量経営をすすめる一方で、これまで見捨てられていた川下で荷物を掘り起こそうと、新事業の研究開発に力を注ぎ始めた。(P44)

昭和五十三年、物流業界は依然として底冷えであった。かつて大量の貨物を出荷してくれた各運輸企業の得意先も、低成長に加えて、国民の価値観やライフスタイルの多様化から、「作ったものが売れる」から「売れるものを作る」へと根底から戦略を修正するとともに、徹底した物流コストの圧縮を競って経営の重点課題とした。(P74)

原点への回帰。それには〝生活空間をそのまま移動させる〟というシステムを採らねばならない。(P100)

つまり、ひとつの商品に隣接するジャンルを開発していくのが、事業の多角化にもっとも有効な方法だ。(P103)

〝世の中に儲かる事業と儲からない事業があるのではない。儲ける人と損をする人がいるだけだ〟(P130)

企業の戦略は自分の資源や能力につねにピッタリと合ったものであってはならない。資源や能力を少々オーバーするような戦略をとることがしばしばある。苦しい競争をあえて自分に強いるような戦略を時々とることが、長期的には最適であることが多い。(P132)

サービスとは攻撃力のあること(P166)

商品企画力 ≧ 販売力 ≧ 生産力 (P177)

現代も大きな転機にさらされていますが、その時代時代で大きな 波 がありますね。

その波からは、大なり小なりはあるものの、何人たりとも逃れられはしない。

乗らないのもありだけど、どうせなら乗りたいね、波に。

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