もっと言ってはいけない
著者:橘玲
発行:2019/1
新潮新書
橘氏の本はいままで読む機会がなかった。先日、橘氏の書いたネットの記事を読んで興味を持ったので、橘氏の書いた新刊を読んでみることにしました。
読んでみて、すごい気になったのは、
- 進化論的にいうならば、私たちのこころは、面倒なことを無意識に任せることでもっとも効率的に働くよう設計されているのだ。(P26-27)
- 「知識社会に適応できない国民が多いほどポピュリズムが台頭し、社会が混乱するのではないか」(P30)
- 同性愛が「生産性」が低いのではなく、「魅力的な男性と女性」を生み出す合理的な進化のメカニズムであることを着々と証明しつつある。(P53)
- 人的資本理論(教育は子どものため)から導かれる合理的な政策は(返済の必要な)奨学金制度の充実であって、教育の無償化ではない。(P77)
- 極端な男の知能、平均的な女の知能(中略)男は空間把握能力や論理・数学的脳力に優れ、女は言語能力や共感力に秀でている(中略)男女で知能に差はないが、ばらつきが異なる(中略)「文系」への女性の進出は、男に比べて言語的能力が高いことと、IQで平均付近の人数が多いことで説明できる。(中略)アインシュタインのような超天才が男である可能性はきわめて高い。(P85-88)
- アジアの人口が多いのは、稲作によってたくさんの子どもを育てることができる、ゆたかな社会だったからだ。(P153)
- 江戸時代(中略)より少ない人手で米をつくると失業者が溢れて村の秩序が崩壊する(中略)大規模農家が生まれないようにしたうえで、村人全員が日々〝勤勉に〟農作業に従事することで食料の増産を図った。(P155)
- 自分のほうがほんのすこしうまくできることに気づいたとしよう。だとすれば、このわずかな遺伝的ちがいに、生き延びるためのすべての可能性を賭けようと(無意識に)思わないだろうか。(P185-186)
- 華僑は、知能の優位性のある地域でしか財閥をつくることができない。東アジア系の国はIQが同じなので、経済的成功のための条件がない。だから、日本には華僑財閥が存在しないのだ。(P188)
- 性格と仕事の成果(業績)の関係をみると、すべての仕事においてもっとも影響が大きいのは真面目さで、次いで外向性、精神的安定性となっている。「真面目で明るく、落ち着いている」ひとは、どんな職場でも信頼されるのだ。(P216-217)
- 咲ける場所に移りなさい。(P236)
読む前の僕の先入観とは違う感じでしたが、とても興味深い内容でした。橘氏の他の著作も読んでみたいと思っています。
(2019年の14冊目)