前川國男邸復元工事報告書
編集:江戸東京たてもの園
発行1999/3
建築家の前川國男さん(1905-1986)設計の建物で、僕はこの前川國男邸が一番好きです。
大昔、二十歳そこそこの頃に雑誌かなにかでモノクロの写真で初めて見たときに、飛行機の格納庫みたいでかっこいいな~というのが第一印象。
それ以来、僕にとってはカッコイイ格納庫建築なんです。
建築家の清家清さん(1918-2005)曰く、「住宅は生活の格納庫」とテレビ番組かなにかでおっしゃられていたのも僕にとって影響していると思いますが、前川國男邸=格納庫なんです(すいません)。
江戸東京博物館で実際に建物に入ったとき、明治村のフランクロイドライトさん設計の旧帝国ホテルの玄関に入ったときのような感動を体験しました。凄い建物だ・・・と、固まってしまいました。そしてやはりこれは格納庫だと、それもとびきりの。
正しく建築を勉強された方からはお叱りの言葉をいただきそうですが・・・。
建物見学をされていた一般の年配のご婦人が「なんて素敵な建物なの~!」って感動されていましたが、まったくもってその通りだと。
本文中、建築家の大谷幸夫さん(1924-2013)が、座談会のなかで、「この建物が傑作なのは、前川先生が、この建物を三浦美代さん(妻)に捧げようとしたからだ。」(P80)とあったけど、とても素敵なエピソードですね。
(2019 年の23冊目)