走れメロス

走れメロス

著者:太宰 治 発行:1970/12(初出:1940/05) 角川文庫

下記の本『理系サラリーマン・・・』を読んでいて、走れメロスのことが書かれていました。懐かしいです。大抵の人は、教科書かなにかで一度は読んでいますよね。僕もそうでした。太宰治の短編小説。

で、無意識に気になっていたのでしょう。ふらりと入った大和駅前の古書店で、文庫コーナーに目をやったとき、真っ先に目に入ってきましたから。

人間て不思議なもので、本能的というか、気になっていることは、意識や無意識にかかわらず、目に耳に入ってきますよね。そうやって飛び込みで入って来る本との出会いも古書店の楽しみでしょうか。

あらためて読んでみると、それでも面白いねぇ。ハラハラドキドキしちゃった!

(2018年の13冊目)

理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く!

理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く!

著者:平林純 発行:2008/05 光文社

講師:大竹文雄 玄田有史 友野典男 松原隆一郎 小島寛之 奥村宏 西村和雄 森永卓郎 中島隆信 栗田啓子 中村達也

 

公立の図書館のリサイクルコーナー(放出本)で、面白そうなタイトルに目が留まって、読んでみようかと手にしたのが本書との出会いです。

 

読んでみて、たしかに・・・・・・と思ったところ。

インターネットの登場により、“必要な人は育てる”やり方から、“必要な人を検索する”時代に変わってきている、ということがわかりました。そして、自分の能力を磨き続けていないと、“検索されない・採用されない”時代になってきているようです。(P034)

経営者は「会社は従業員のものではない」と考えている(P129)

「ひとつ」を選ぶことが選択というものであるなら、選択肢が増えるということは、「選べない選択肢」が増えていくということでもあるんだな、とふと感じました。(P143)

中島 人は必ず合理的に動くと考えると、変な例ですが、例えば暴力団の行動なんて、法に守られていないぶん、非常に合理的にできているはずです。それとは逆に、法やルールで動く仕組みの場合は、それで守られてる人もいるけれども、守られない人もいたり、細かいところに目が行き届かなかったり、コストがやたらにかかったり、というように、どうしても非合理的でうまく動かなかったりしがちになりますね。
平林 借金の取り立てなんかがそうですよね。お金を貸した相手が返そうとしない、という時に、合法的に回収しようとすると、裁判なんかで時間もお金もすごくかかってしまう。だから暴力団に頼んだほうが早くて安上がりだ・・・・・・とか。なるほど、暴力団が存在し続ける理由も合理的に納得できてしまいました。・・・・・・あぁ、そうか、こういう納得が“世の中のあり方がわかった”と思える感じなんですね。(p174~175)
なお、暴力団は「合理的な」存在として納得できる、という話をしていますが、「合法的な」存在として容認しているわけではありませんので、そこのところはお間違えなく・・・・・・。(P183)

中島 最近、哲学者の鷲田清一さんが書いた『「待つ」ということ』(角川学芸出版)という本にすごく惹かれたんです。“待つ”ということから人間が受ける影響、例えば『走れメロス』での“待つ”ということから生じた、心の葛藤や成長といったものを深く考える。そういう学問も面白いと感じました。(P176)

「賭けることが出来る人」が経済を動かしている(p223)

(2018年の12冊目)

君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

著者:吉野源三郎 発行:2017/8(1937/7) マガジンハウス

よいことがたくさん書いてありました。

どういうところに感銘を受けたか、たくさんここに書いたのですが、

変なトコ押して、消えちゃいました・・・・・・・・・・・・・・・。

だから、書かないでおきます。でも、みなさん、一読をお勧めします。

面白いし、ハラハラするし、胸に手を当ててみて心苦しくもなります。

なんで苦しいのか、みんな覚えがある筈です。臆病で卑怯な自分に。

マンガ版も読んでみようかな。表紙絵の方が漫画を描いてるそうです。

(2018年の11冊目)

2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望

2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望

著者:沖田臥竜 発行:2017/08 サイゾー

読んでいて、胸にぐっときたところ

 だが、学生時代からの同級生や同じ不良グループ仲間からは、いつまでたっても織田代表は英雄なのだろう。それは、織田代表の生粋の若い衆にとってもそうなのではないか。そこには是非ではない。侠としての魅力と、生き様への魅了があるからだ。(P101)

 「必要悪」などという陳腐な言葉で正当化するつもりはないが、ヤクザ排除の弊害が出ているのが現実であろう。(中略)問題は、ヤクザの果たしていた代わりを果たす機構が不在なことだろう。(P187)

(2018年の10冊目)

星空の 谷川俊太郎 質問箱

星空の 谷川俊太郎 質問箱

著者:谷川俊太郎
発行:2018/01
ほぼ日

表紙の美しさに一目ぼれ。
満天の星空が、見渡す限りに広がっている深夜の道は、夢の世界だ。
トンネルから抜け出た赤いトラックは、夢を運んでいるのだろうか。
世界のすべては質問からはじまる。
広い公園の芝生の上に寝転んで、お星さまに質問してみたいな。
少年のあの日の頃のように。
な~んて気にもなるってもんです。

 

読んでいて 心にぐっときた部分

質問8-答より まず「孤独死」というようなマスメディアが作ったコトバをココロから追い出してしまうことですね。人間はみなひとりで生まれてひとりで死ぬわけだから、孤独は死につきものです。死は万人に平等だと思っていれば、どんな死に方をしても人と一緒だと思いませんか?特別な死なんてないんです。(中略)もっと野放図に生きることを楽しむ方法を見つけてほしいなあ。(P29)

質問13-答より 悔いなく生きるには、すべてのことをそのときその場で、一所懸命に自分の能力いっぱいにやることだと思います。でもね、何一つ後悔せずに死ぬ人がいるとしたら、その人は聖人か極悪人のどっちかじゃないかなあ。(P41)

質問15-答より  なりたい大人が見つからなかったら、とりあえずいい大人、自分のことより、人のためになることを考える大人になろうとするのがいいと思う。そうするとね、顔も人に好かれるようないい顔になるんじゃないかなあ。(P49)

質問18-答より  あのね、理想ってのはあり得ないからこそ理想なんだよ。実現するはずのないことに向かってあせらず一歩一歩生きていく、その方向性にエネルギーがあるんだと思う。(P77)

質問30-答より あのね、自分の寂しさにかまけていると、寂しさはなくならないよ。そういうときは他人のために何かするんだ、ボランティアでもアルバイトでも。そうやって自分を他人とシャッフルして忙しくする。人間てエゴイストの一面もあるし、人のためになることが嬉しい一面もあるんだよ。(P83)

質問31 ぼくはおっぱいがだいすきです。おっぱいのなかにはしあわせがつまってるとおもいます。谷川さんはなにがはいっていると思いますか?(ともくん6歳)
谷川さんの答 ともくん、いいこと言うねえ!ぼくはおっぱいのなかには、しあわせといっしょに生きるちからがはいっていると思います。(P85)

(2018年の 8 冊目)

BEGIN ① ② ③

BEGIN ①
作:史村 翔 画:池上遼一 発行:2017/08 小学館
( 表紙裏より )
傾きかけた日本に点火する、憂国の極道×官僚 !!

BEGIN ②
作:史村 翔 画:池上遼一 発行:2017/08 小学館
( 表紙裏より )
とことん追い詰めねェと、人も国も変わらねェ !

BEGIN ③
作:史村 翔 画:池上遼一 発行:2017/12 小学館
( 表紙裏より )
これからの日本は、若い者を年寄りが背負うんだよ !

 

社会の問題を知るのに、漫画ってのは結構ありだなと、思うね。

 

(2018年の 5 ~ 7 冊目)

繁盛店の教訓 小さくても元気なお店

繁盛店の教訓 小さくても元気なお店

著者:たかはた けいこ
発行:2009/01
商業界

図書館蔵書の放出本(リサイクル本)で、小さくても元気なお店 という副題に目が留まって手にしてみました。発行は9年前で地方の小売情勢は更に厳しいと思われますが、楽しく読ませていただきました。

 

読んでいて ぐっときた 部分

 良い要素などひとつもないと思われる商業環境で、生き残っている店は漫然と店を開き、商品を並べているのではない。ひらめき、アイデア、持続力、努力。それらを積み重ねている店だけが生き残ることができるのだと改めて教えられた。
 「私たちの商売は何千、何万人を相手にしなきゃいけないものじゃない。景気なんて関係ないって思わないとやっていけない。五、六百人のお客さまとの信頼関係をしっかりつくれるか否かだけ」
 最初のころ、伺った店のオーナーさんの言葉が胸に残っている。(P5~6)

 「人との出会いって不思議だなって、思うの。この十年で考えさせられたことは多かった。一番、良かったと思うのは誰も損をしていないこと。そうして、地域の若い人たちと毎日、触れ合うことができること」(P61)

 「商いは飽きない」(P78)

 試練も新たな発想を生む糧とする
 基本はお客様に喜んでもらいたいという気持ち(P79)

 「まとめて解決しようとするから、かえって面倒になる。ひとつひとつを解決していけば、結果は見なくてもわかる。どんな数式でもプラスが並べば、結果はプラスです。マイナス部分を分析するのです。どうして結果がマイナスになるのか、それは数式の一部にマイナスになる要因があるからです。そこを見つけて改善するのが経営者だと思っています」(P104)

 先刻のお客さまのように足りないアイテムを売っている店と金額が書かれているのだ。
 タカコさんの店の顧客は五百人を超えているという。ひとりひとりの顧客カードには過去の買い上げ商品はもちろん、需要の目的(結婚式、国内旅行、海外旅行、入学式、卒園式)が時系列的に書き並べられていて、同時に他の店舗から調達した靴やバックまでイラスト入りで描かれている。
 お見事というしかない。(P216)

 

アップルハウスという婦人・子供服ブランドの社長さんの書かれた本。名前はたしか聞いたことがあったと思う。インターネットで調べてみると、アップルハウスというブランド名に相応しい、シンプルでお洒落な優しい雰囲気の、上質で良心的な服がたくさんあって、大好きな人に着てほしいような、そんな素敵なブランドですね。

(2018年の4冊目)

マンション管理実践マニュアル

マンション管理実践マニュアル

著者:中島猷一
発行:2005/04
PHP研究所

図書館蔵書の放出本(リサイクル本)で、ちょうどマンションの管理について興味がありましたので、ありがたく手にしました。発行は13年前と、細かい部分では法改正等で変わっている部分もあるとは思われますが、興味深く読ませていただきました。

 

読んでいて特に気になった部分。

積立金の20%前後を10年目の大規模修繕工事に使い、あとの80%は将来のために残しておくのが上手なマンション運営である。(P42)

(前略)不思議なことがある。マンションの築年数が10年経ったら「大規模修繕工事」をすると決めていることだ。日本の法律に、マンションの築年数が10年経ったら「大規模修繕工事」をやりなさいとはどこにも書かれていない。(中略)積立金を使ってしまうと、明日からのマンション運営は真っ暗だ。それよりはマンションの建替えに向かって積立金を残したほうが、マンションの将来にとっていいはずである。(P48~49)

エレベーター点検 - 毎月行う必要は本当にあるのか(中略)2か月に1回とか3か月に1回にしてくださいと、マンション住人がはっきり言うことが大切だ。脅かしに負けないマンション住人になってほしい。(中略)浮いた(中略)万円は積立金に回すことができる。(P52~54)

よい管理会社になる三つのポイント(中略)マンションの積立金が多くなることを一番に指導する管理会社になってほしい。第二に個人負担のないマンションの建替えを教えていただきたい。第三に、マンション住人がこのマンションに住んで、生活して本当によかったと思ってもらえる管理をお願いしたい。(P64~67)

〔提言〕資産価値が下がらないマンション(P98)
 ●管理・運営について
  ・役員がマンション管理に真剣に取り組んでいる
  ・積立金が将来にわたり保障されている。
  ・信頼できる管理会社がサポートしている。
 ●建築基準について
  ・床の厚さが30センチ以上ある
  ・ストレッチャーが余裕をもって入るエレベーターを備えている
  ・廊下は2台の車椅子が余裕をもってすれ違うことができる
  ・将来的にメンテナンスができるつくりになっている
  ・共用スペースが完全にバリアフリーになっている
 ●周辺の環境について
  ・駅・病院・学校(義務教育)が近い
  ・周辺のセキュリティ(防犯)がしっかりしている
  ・緑がある

少子化問題を解決する方法 - 私の提案(P102)
 提言11 子供を3人生んだ家族は無税にしよう
 提言12 子供を4人生んだ家族は消費税も免除しよう
 提言13 子供を5人生んだ家族には人も羨む住居を与えよう!

 

本が発行された2005年当時より13年が経過し、改善した部分もあるし悪化した部分もある。世の中の価値観も変わります。マンション(海外ではアパートという)は、都市の人口密度を保つ有益な居住形態だと思いますが、空室が増えれば巨大な不良資産となります。マンションと少子化というのは一見繋がりませんが、実は密接に繋がっています。というより、少子化はすべての問題に繋がっていますので、正しい少子化対策に国の手厚いサポートが早急に必要な段階に来ていると思います。

(2018年の3冊目)

子どもたちの夢と幸せをつくる「絆」

子どもたちの夢と幸せをつくる「絆」
福井県のある小学校校長が語ったこと

著者:赤星 昇
発行:2017/11
文芸社

著者の赤星昇先生は、僕が小学5,6年生のときの担任の先生です。
先生の初任校の当時の 立川第九小学校 が懐かしく思い出されます。
先生はクラスの歌(うでくむわれら)をつくってくれて、それを歌ってくれたり、皆で歌ったりしました。
僕がクラスのある子をいじめた時「なぜそんなことをするのか?」との先生の問いに、つい「だって、いじめたくなっちゃうから」と言ってしまったとき、目に涙を溜めて本気で叱ってくれたこと、今にしても本当にありがたい気持ちです。
放課後、教室の片隅でクラスメイトと戦艦大和やゼロ戦がかっこいいというような話をしていて、そこへやってきた先生から「人殺しの道具のなにがカッコイイのか?」との指摘に、一同黙ってしまったことがありました。考えてみたら確かにそうでした。
クラスのみんなで、先生の故郷の福井に二泊三日で押しかけましたね。海の中で黒い岩だと思って立ったらそこはウニだらけの岩で、足が血まみれの棘だらけになって、棘を抜くのがまた痛くて悲惨(笑)でしたが、それも楽しい思い出です。夜、墓地もあるようなひと気のない原っぱで肝試しをしましたが、風で揺れる柳や草の音ぐらいで本当に怖くて、今でも記憶に残っています。
僕は漢字が苦手でしたが、社会や理科は大好きでしたし、僕一人だけ100点なんてこともあったぐらいです。その2教科だけは(笑)解らない人に教えてあげた記憶があります。もしかすると先生に褒められて、自己肯定感があったのでしょう。
振り返ってみると、僕にとっての赤星先生は、やはり特別な先生です。今にして思えば他のクラスの担任の先生もがんばっていたとは思うけれど、特に先生のクラスは生徒や保護者も含めて輪が出来ていたし、先生のことが皆大好きだったと思う。

1977年頃、右端のちょっと ひょうきん なのが僕(マッチャキ)。
たぶん先生のギターを借用(笑)。
ちなみに他の3人さんは皆すごく立派になったと風の便りで!

 

読んでいて ぐっと きたところ

スポーツを通して仲間との絆が深められていき、仲間とつながりあうことの大切さというものを学んでいくことができるはずです。(P24)
私は、幸せになる、というのは、みんなの幸せのために力を尽くす中で自分も幸せになれる、ということだと思っています。(P41)
中国でつくられた『山の郵便配達』という映画があります。(P55)
しつけも勉強も大切なことですが、子どもたち自身が、自分は大切な人間なんだ、存在価値のある人間なんだ、という自己肯定の気持ちを子供の心に育てていくことが、子どもたちの成長のために何よりも大事なことです。(P60)
だれにどんなことをしてもらったときに自分は幸せを感じたのか、そして、自分はどのようにすれば困っている人や悩んでいる人、苦しんでいる人たちの手助けができるのか。(P103)
だれかのために、みんなのために、自分ができることを考えて実行する。(P110)
勉強というのは『好奇心』がわかないと身が入らないものだということです。(中略)今、勉強していることが自分の生活や体験したこととどのようにつながっているのか、をよく確かめながら学んでいくことです。(P128~129)
人間って年ではない、将来に希望が見えてくれば人間はこんなに前向きになれるのだ、ということを学んだとのことでした。(P143)
教師という仕事は、喜びよりも悔いの方がはるかに多い仕事なのです。(中略)「教育」もまた「教育」を必要としているのです。(P153)
万葉の昔から言われているように、まされる宝は子ども以外にありません。いつの時代であっても、子どもたちは私たちの未来であり、希望であると思います。(P158)

ドロシー・ロー・ノルトさんの書かれた『子供が育つ魔法の言葉』

 批判ばかりされた子どもは 非難することをおぼえる
 なぐられて大きくなった子どもは 力にたよることをおぼえる
 笑いものにされた子どもは ものを言わずにいることをおぼえる
 皮肉にさらされた子どもは 鈍い良心の持ち主となる

 しかし、激励を受けた子どもは 自信をおぼえる
 寛容に出会った子どもは 忍耐をおぼえる
 賞賛を受けた子どもは 評価することを覚える
 フェアプレーを経験した子どもは 公正をおぼえる
 友情を知る子どもは 親切をおぼえる
 安心を経験した子どもは 信頼をおぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた子どもは
 世界中の愛を感じ取ることをおぼえる (P165~166)

『子育てハッピーアドバイス』シリーズの10冊ほどの本です。(P169)
他人のことを思い、他人のために役立つことができることぐらい、人間にとって誇らしくうれしいことはないと思います。(P171)
悔いることがいっぱいあり、不完全ではあるけれども、子どもたちに信頼を寄せ、教師として、子どもと共により新しい自分に成長していける人間であり続けたいという誠実な思い、これがより未熟で発展途上の子どもたちとの間に、確かな〝信頼の水路〟を開いていくものなのではないでしょうか。そして、この不完全さの自覚こそ、多くの人たちとのつながりや絆を生み出していくものではないでしょうか。(P195)

 

僕は思うんですけど、大学の先生の方が小学校の先生よりもなんか偉いような雰囲気や待遇があると思うのですが、実は小学校の教育こそ、人を育てる上で大切なんじゃないかと思うんですよね。専門知識とか高等教育とか大学の教育の凄いところはあると思うんですが、人を育てるという面ではやはり基礎中の基礎の小学校の教育こそが難しいし大切なんじゃないかと思うんです。ですから、先生の待遇や地位や権限の改善を含めて、国は小学校教育にもっと力を入れ、それを国民は注目する必要があると思う。

仕事でとある市の小学校の設備の検査で各小学校を巡回したことがありますが、街中の小学校に比べて山間の小学校の生徒の礼儀正しさには驚いたことがあります。校内で会えば一業者に過ぎない我々に「こんにちは」と生徒から積極的に挨拶してくるのです。なぜなのだろうかと考えると、先生に対して生徒の数が少なくコミュニケーションがとれていること、集落に子供は少ないが集落に大切に育てられていることなどが伝わってきました。その集落で生まれ育った人達の郷土愛は、街中で育った人達よりも深いものがありました。

僕が以前、失意のどん底にいたとき、出会った言葉があります。
学びは光なり 無学は闇なり
という哲学者ソクラテスの言葉です。
苦しくても、学ぶ機会や気持ちがあれば、必ずや光に照らされる。
けれども、学ぶ機会も気持ちもなければ、暗闇に落ちてしまうだろう。
だから僕は、忙しい合間でも、なにか学び続けなければならない。
その時、そう思ったのです。

僕にとって、小学校というのは、光り輝く学び舎 だったと思う。
赤星先生に出会えてよかったと、不出来な教え子ですが感謝しています。

是非、この本を多くの皆さんに、特に先生の教え子の皆さんには読んでほしいと思っています。

(2018年の2冊目)